レビューサンタフェ(Review Santa Fe)2013その後

今年の6月に受けたレビューサンタフェ詳細はこちら)。アメリカの美術館、ギャラリー、出版社、コンサルなど9人のレビュアーに写真をプレゼンした。その後の5ヶ月間を振り返ってみる。


6月、帰国後レビュアーにお礼のメールと作品のpdfを送ると、すぐにColorado Photographic Arts Centerからポートフォリオを一式送って欲しいと返信があった。話はトントン拍子に進み、8月末には1ヶ月間の個展がスタートした(詳細はこちら)。アメリカでの初個展。展示はまさにレビューサンタフェに持って行った作品一式で行われた。この夏にギャラリーが拡張され、改装直後の展示だったようだ。残念ながら現地に行くことはできなかったが、ディレクターが展示中の情報を細かく伝えてくれた。このとき「作品が自分の手を離れていく」という例の感覚を味わった。


8月には、レビュアーだったphoto eye booksのマネージャーが動画で写真集を紹介してくれた(詳細はこちら)。photo eye booksは世界レベルで知られる写真集専門店。以前から定期的に見ていたサイトだったので、前ぶれなしに自分の写真集が動画で紹介されていて驚いた。そしてネットを通じたオーディエンスの広がりを実感した。


10月中旬、レビュアーだった美術館キュレーターから、作品を収蔵したいという連絡が入る。美術館の収蔵作品の選定や決定のプロセスはよくわからないが、レビューサンタフェからすでに4ヶ月も経っている。キュレーターはレビューの際にしっかり評価してくれて、それを頭の中に残してくれていた。そして、何よりアメリカの美術館が作品の価値を認めてくれたことが嬉しい。年内には正式に収蔵されることになる。


レビューサンタフェに参加するにあたって、3つの目標というか夢をもっていた。アメリカにおける「個展」、「美術館収蔵」、「ギャラリーの取扱い」。そのうち2つが、しかもこんなに早く叶うとは思ってもみなかった。レビューはお見合い的な要素もあって、その場で感触がよくても具体的な仕事になっていくことは簡単ではないし、時間もかかると聞いていた。運も良かったのだろうと思うが、こうした成果は、渡部さとるさん、永田陽一さん、マーク・ピアソンさん、杉山武毅さん、渡邊博史さん、米本康子さんなどのサポートや情報提供なしにはできないことだった。この場をお借りして皆さまにお礼申し上げます。そしてチャンスの場を与えてくれたCENTER主催のReview Santa Fe。国内外にポートフォリオレビューは数多くあるが、自分にとっては大きなターニングポイントとなる「身のある」レビューだった。


長い作家活動において、展示や収蔵は点にしか過ぎない。ただ、レビューサンタフェでの経験と、それを通して繋がった人びとや人脈によって何かが蜘蛛の巣状に拡がりはじめたと感じる。きっと点が点線に、そして太い実線になっていくはず。



※2013年のReview Santa Feに参加した7人の日本人が参加する企画展が開催されます。

●TANTOTEMPO pure 2013
"The Wind of Santa Fe" - サンタフェの風 -2013 Review Santa Fe参加者の肖像

前田みつ / Motohiro Takeda / 竹本英樹 / 荻野直之 / 山縣勉 / 鈴木光雄 / 渡部さとる
(海外から1名の写真家を招待予定)

2013年12月7日(土) - 29日(日)12:00-18:00 月火祝 定休
Gallery TANTO TEMPO
神戸市中央区海岸通2-4-8 第2日新ビル B1F
TEL&FAX 078-335-6510
info@tantotempo.jp
http://tantotempo.jp/