北京では、写真は現代アートの一つの表現手法としての位置づけが期待されているようで、写真芸術が単独で成熟している感じがしない。
芸術特区の798 Art Zoneの写真ギャラリーを見てもデジタル技術を駆使したアート指向の強いものが目立つ。
とはいえ、トラディショナルなモノクロやドキュメンタリー、過去のプロパガンダ用写真なども根強い人気がある。
写真の売買市場は未成熟で、日本より遅れているが、一部の富裕層が投機もかねて著名作家のプリントをシリーズ買いすることも増えているという。
一般的にはアートに対する認識、意識はまだまだ乏しいが、経済発展に伴って生活が豊かになり、不動産や車、インテリアのレベルがひと通り上がった後に市場が盛り上がっていく可能性を秘めていると思う。
人口は15億。現在はまだ道筋は見えないが、○○年後に大ブレークすることに期待したい。




北京には数千の胡同(フートン)がある。日本で言えば下町の横丁という感じか。
胡同とは、元々モンゴル語で「もやがかかった」という言葉らしい。
料理店や屋台から出る湯気や庶民生活から立ち昇る熱気に黄砂が混じり、文字通りもやがかかっているように見える。
胡同にはすべて名前がつけられているが、豆腐胡同や炒豆胡同など食べ物の名前がついたものも多い。
中国の歴史が、食文化と密接にからんできたことがわかっておもしろい。